カバーステッチミシンを使ってループ付きハンカチ作り

こんにちは!maffonスタッフのアンジーです。

前回のブログで、カバーステッチミシンについてご紹介しました。

今回は、カバーステッチミシンを持ったからこそ縫える「バインダー仕上げ」(=チェーンステッチ)の縫い方をご紹介します。

前回ご紹介した通り、カバーステッチミシンが活躍するのは裾の部分。「生地端の処理+本縫い」が同時にできます。

ただ、実際のところ、ロックミシン→家庭用ミシンで縫っても全く問題なく縫うことができるんですよね💦(スタッフもこれまで10年はその縫い方で洋服作りを楽しんできました)

今回ご紹介する「バインダー仕上げ」(=チェーンステッチ)は、カバーステッチミシンがあるからこそできる縫い方です。この縫い方ができると、「おぉー、買ってよかった、すごいぞ、カバーステッチミシン!」と感じられる縫い方です。

カバーステッチミシン以外に、専用のアタッチメントなどの器具が必要ですが、紐やバインダー仕上げが既製品のようにできます。

これがマスターできれば、キャミソールの紐など、家庭用ミシンではなかなか縫えなかったものでも怖いものなし!ソーイングの幅がぐっと広がります。

今回はこちらのチェーンステッチの縫い目を使ったバインダー仕上げのハンカチの作り方をご紹介します。

幼稚園や保育園で必要なアイテム。お気に入りの動物が入った生地であれば、きっとお子さん方にも喜ばれると思います。

生活の中でも、このループがあるだけで、とっても便利なアイテムに。カバーステッチミシンをお持ちの方にはぜひ作ってみていただきたいアイテムです。

さて、チェーンステッチを使ったバインダー仕上げはカバーステッチミシンだけではできません。アタッチメントで、「ラッパ」と呼ばれる器具が必要になります。

スタッフが使うのはbaby lockさんのKanadeなので、こちらの四つ折バインダーセットを購入しました。

仕上がり巾10mmです。

このほかにも違う仕上がり巾の違うラッパや、四つ折ではなく三つ折のラッパなど、色々なものが販売されています。(「カバーステッチミシン アタッチメント」で検索してみてください)

専用のラッパを使うと、確実に美しい仕上がりになり、満足度もアップします。

ただし、1万円以上など、お値段もかなりするものなので、作りたいものやご予算に合わせて揃えられるのが良いかと思います。

ちなみに、今回は四つ折バインダーを使いますが、maffonの生地は適度な厚みがあるので、一番最適なのは三つ折バインダーです。ただし四つ折でも問題なく仕上げられます。今回はこちらのバインダーセットを使っていきますね。

こちらのバインダーセットを開封すると、色々入っています。

テープスタンドは組み立て、

ラッパを本体に設置して使っていきます。(後で詳しくご説明しますね!)

もう一つバインダー仕上げをするのに欠かせないのが、ロータリーカッターと定規です。

普段のソーイングでは、基本的に裁ちばさみ派のスタッフですが、バインダー仕上げにはまっすぐな紐が必要になるので、この時だけはロータリーカッターを使用しています。

均等な巾で裁断するために、定規も専用のものをお使いすることをおススメします。

用意が準備できたら、早速裁断から始めましょう。

今回作るループ付きハンカチに使うのは、こちらの新作「リトルエレファント」柄。

きょろきょろお目目の小さな象さんたちが可愛いこの柄。

個性あふれる象さん達が楽しそうに色々な方向を見ながら並ぶデザインです。

「気づいた人だけがクスリと笑ってしまうような」秘密を生地のデザインに入れるのが得意な小林デザイナー。そんな小林デザイナーの遊び心が今回もたくさんちりばめられています。

小さな象さんたちは「ジェスチャーゲーム」をしている最中だそう。

どんな文字を伝えようとしているのでしょうか?!

「見つけた人にだけ、こっそり知ってほしいから、ブログには正解を書かないでね」と小林デザイナーに言われているため、ここでは書けませんが、かわいい秘密が隠れています。

ぜひ、生地を実際に手にして、楽しみながらジェスチャーゲームの答えを探していただけたら嬉しいです!

まずはハンカチ本体と紐を裁断します。

ハンカチ本体は32㎝×32㎝の生地を1枚用意します。

三つの角は丸くなるようカットしておきます。

角の一つは直角のまま残しておきます。

角のカーブはお任せ、お好みですが、スタッフはこれくらいのカーブになるようにカットしています。

紐はバインダーセットの仕様書にあるよう、3.6cm巾の紐を用意します。

32㎝の四角い布の周りをバインダー仕上げするので、32×4+14cm(ループ部分)=128cmあれば十分そうですが、チェーンステッチを縫うのに、必ず練習部分(スタッフは助走部分、と呼んでいます!)が必要です。

縫い始めの十数㎝、縫いながらラッパの位置を微調整していきます。

maffonのたっぷりの生地巾=150㎝の長さの紐をご用意くださいね。

紐はテープスタンドに立たせるため、巻き芯に巻き付けていきます。

巻き付ける時は、ご注意ください。外側に来る方が、バインダー仕上げで出る面になります。

今回の場合は、グレー背景に白色の象さんの側です。

白い背景にグレー象さんの面は見えなくなります。ご注意ください。

全部巻けたら、ラッパに通すために、始まりは三角形に切り落としておきます。

ちなみに、この巻き芯、アタッチメントには入っておらず、スタッフの場合はミシン屋さんがご厚意でつけてくれました。ちょうどよい大きさで重宝しています。なくても厚紙をまいて作れます。

それではカバーステッチミシンの出番です。

バインダー仕上げのチェーンステッチには、一番端と端、左針糸とルーパー糸を使います。

(Kanadeの糸通しについては、前回のブログでご紹介しています)

送り目ダイヤルは「3~4」に設定しておきます。

続いてラッパを設置します。

手前に曲がった「ツメ」の位置を調整していきます。

抑え金の左針の位置と、ツメの位置を見て、

ツメの位置が左針の位置より2mmほど左にくるように調節して、白いねじ2つを締めて固定します。

さらに、説明書によると、ラッパの上下のツメ自体も調整する方が良いそうです。

今回は、ハンカチ本体をぐるりとバインダー仕上げ+ループ部分はヒモ仕上げ、になりますが、バインダー仕上げの方が距離が長いので、バインダー仕上げになるように、下のツメ位置を微調整します。

ドライバーを使って、右側のねじを緩め(左側のねじを緩めると上側のツメが動きます)、

下側のツメが1mm程度左側にくるように調節しておきます。

この微調整は、縫い始めてからも再度必要であれば調整していきます。

(このように縫い始める前の細かい下準備が色々と必要なのですが、「もう一ステップ上の作品作りをするため!」とご自分を励まして頑張ってください!)

先ほど用意した紐をテープスタンドにセットします。

三角形に切った先をラッパに通していきます。

ピンセットや目打ちを使って通します。

先端まで通して、針の下まで行ったら

抑え金を下ろして、

縫い始めます!

フットコントローラーを踏むだけで、特に手元に力は入れず、生地に添えるだけです。

こんな風にヒモができています!

裏側の縫い目はこんな風に、ルーパー糸がチェーンの鎖のようになっています。

だからチェーンステッチ、と呼ばれるのですね!

この最初の試し縫い部分、助走部分とも言えます。ここでしっかり針の位置、縫い具合を調節していってください。

目飛びがないかもしっかりチェック(目飛びしていたら、まずは糸のかけ方を再度チェック+新しい針に交換してみてください)。必要であればラッパの位置も再度、微調整してくださいね。

縫う位置ですが、できるだけキワを縫いたくなってしまいますが、キワを縫おうとしすぎると、縫い落して失敗することが多いです。

現在のスタッフの技術だと、端から2mmくらいが一番きれいにできるようです。

ただ、このあたりは、縫われる方の手加減や技術、お持ちのミシンの特性などによって変わります。何度か練習を重ねて、ご自分が一番納得のいく縫い方を見つけていただければと思います。

助走の試し縫いで、ラッパの位置など大丈夫そうであれば、本体を挟み込んで縫っていきます。

直角に残した角から縫い始めます。

ヒモの間に挟み込んでいくだけでOKです!

勝手にミシンがどんどん縫い進んでくれます。

あっという間に角まで来ました。

角も、余計な力は必要なく、ただただミシンが縫うのに任せて

カーブがヒモから落ちないようにだけ気を付けながら縫っていくだけです。

どんどん縫い進められます。

ぐるりと一周縫って、縫い始めの位置に来たら、

最初の練習(=助走)で縫ったヒモ部分をカットします。

切った部分をくるみこんで進み、生地が終わったらそのままヒモの状態にして、最後まで縫います。

バインダー仕上げで縫えました!

表側。

裏側はこんな風に縫えています。

ヒモ部分をループにします。

角から13㎝測って、余分な部分をカットします。

ヒモをループに仕上げます。くるりと曲げて

縫い始めの位置に合わせたら

赤線の部分と

裏側の赤線の部分、2ヶ所を手縫いで止めます。

止まっていればどんな縫い方でもOKです。

手縫いがずれずに一番きれいだと思いますが、ミシンを使ってももちろん大丈夫です。お好きな方法で縫い止めてくださいね。

ループ付きハンカチ、完成です!

家庭用ミシンでは、なかなか難しいバインダー仕上げ。

縫う前の準備がなかなか大変でしたが、きれいな仕上がりになると、これまでの苦労も報われます。

スタッフ家の子どもはもう卒園してしまいましたが、まだ通っていたら、絶対使わせたいなぁ・・・と思う可愛いハンカチができました♪

バインダー仕上げは、カバーステッチミシンを持っているからこそ、きれいにできる縫い方です。

ただし、ご紹介したように、縫う前の準備や微調整も必要です。

一度、バインダー仕上げすると、一枚だけ仕上げて終わるのはもったいない!と思われるはず(笑)!

今回も、もう一枚、ハンカチを作りました♪

保育園だと、毎日、複数枚の手拭き用タオルが必要になることも。

150㎝巾、長さ50㎝の生地だと、4枚のループ付きハンカチが作れます。

キャラクターものだと、ほかのお子さんと同じハンカチになってしまうこともあるのですが、maffonはオリジナルデザインなので、周りとかぶる心配はなし♪まだ字が読めないお子さんでも、好きな動物やデザインであれば、「これが自分のお手拭きタオル!」とはっきりわかって嬉しいと思います。洗い替え用にも、たくさん作ってあげてくださいね!

こちらは「おおかみ柄」で作ってみました。ループ付きハンカチです♪

裏側は白のハンカチ×白のバインダー。

「おおかみ柄」のように、裏と表でがらりと色のイメージが変わる生地だと、バインダーをどちらの色にするか、考えるのも楽しいです。

ハンカチ本体とバインダーを同じ生地で作ると、統一感が出ますが、バインダー部分だけ違う生地を使っても楽しいと思います♪ぜひお好きな組み合わせで素敵なハンカチを作っていただけたら嬉しいです。

ブログの始めに書いたように、このバインダー仕上げは、家庭用ミシンとロックミシンだけでは、なかなかきれいにできません。バインダー仕上げができると、「カバーステッチミシン、買ってよかった~~!」という思いが一層強くなります。

最初のセッティングと調整が大変なだけで、縫うこと自体は、本当に難しくありません。

調整のコツさえつかめば、キャミソールやバインダー仕上げのTシャツなども怖くなさそうです!

カバーステッチミシンをお使いの方に聞くと「目飛びが多くて・・」という声もよく聞きます。

目飛びや裏のルーパーがきれいにならない時は、以下のチェックポイントを点検して、解決することが多いです。

  • 糸のかけ方が間違っていることもあるので、もう一度かけなおしてみる
  • ミシン針を新しいものに変える

Kanadeの場合、↑でほぼ解決します。

ただ、それでも直らない場合、

  • 縫うスピードを遅くしてみる
  • チェーンルーパー糸調節ダイヤルを3→4にしてみる

も試しています。

特にミシン針の摩耗は、目で見てわからないので、見逃しがちなのですが、針を新しいものに変えるだけで目飛びがなくなることも多いです。

取扱説明書でもしっかり書いてありました。

目飛びするときは、針の交換時期でないかをまず、チェックしてみてくださいね!

スタッフもまだまだ使い始めたばかりのカバーステッチミシン。

縫う前の準備やアタッチメントが必要だったりしますが、仕上がりのきれいさと縫い方のバラエティがグーンと広がるのは間違いありません。

これからも色々練習して、もっともっとうまく縫えるようになりたいと思います。

ロックミシンに比べ、お持ちの方が少ないミシンではありますが、ご参考にしていただければ幸いです。

四つ折バインダーセットについては、baby lockさんがこちらのYOUTUBEで詳しく説明していらっしゃいます。

(サンプルにmaffonの生地を使っていただいています!)

ソーイングの秋本番、これまでちょっと難しいかな?と思っていたことにも挑戦してみませんか。

素敵な作品作りの参考にしていただけたら幸いです。

Happy sewing with maffon.