こんにちは!
maffonスタッフのアンジーです。
今日は、新しく我が家に仲間入りした「カバーステッチミシン」について、ご紹介しようと思います。
(上の写真、一番左のミシンです)
ニットソーイングをやられる方なら、家庭用ミシン→ロックミシンまではお持ちの方もいらっしゃると思うのですが(もちろんmaffonの生地は縫いやすく生地端の処理がなくても大丈夫なので、家庭用ミシンだけでもちゃんとお洋服やソックス、作れます!)
カバーステッチミシン、となると、また1段階ハードルがあがる感じがあるのでは、と思います。
実際、私もカバーステッチミシンの存在は知っていましたが、持たないまま10年が過ぎました。家庭用ミシンとロックミシンがあれば、たいていのものは作れてしまうんですよね。
しかしソーイングを始めて10年。
10th アニバーサリーではないですが、より上のレベルに挑戦したく、意を決してカバーステッチミシンを購入しました。
お迎えすることにしたのは、こちらのKanade。baby lockさんから発売されています(↓はbaby lockさんのサイトです)。
さてここで、私のこれまでのミシン歴をご紹介させてください。長くなりますが、お付き合いいただければ<(_ _)>
10年前、初めはまったくの初心者でした。
ミシンに触ったのも中学生の家庭科の授業が最後。洋裁学校などに通ったことももちろんありません。子どもに似合う服がなかなかないなぁと思っていたころ、図書館でソーイングの本をみたのがきっかけで、「服って作れるんだー」と知り、挑戦してみました。
実家に眠っていた30年前のミシンを引っ張り出し、縫ってみたのです。
小さな子どもがいると、準備が大変だったり、子どもの機嫌に左右されたりと、なかなか気軽に外出できないですよね。そんな当時の自分にとって、家の中で何かを作って達成感を感じられる、「自分で作った」というと「すごいね!」とほめてもらえる(笑)、ミシンに向かっていると無心になれる・・などソーイングはぴったりでした。
ちょうどmaffon生地との出会いもあり、「お家で服を作る楽しさ」に目覚めました。
たくさん失敗もしたのですが、服作りを辞めることはありませんでした。たぶん、作れば作るほど上達が感じられるのが楽しかったのではないかと思います。
そんな風に自己流で服作りを始めて楽しんでいたのですが、使っていたのは30年前のもので、ずっと使っていなかったミシン。
動きはしますが、フットコントローラーもなく、糸が絡まって本当によく故障しました。そのたびに、ミシンやさんに運び、修理代が一万円以上かかり・・ということを何回か繰り返し、
「これだけ縫うのであれば、新しいミシンを買った方が良いのでは!?」と新しいミシンを購入を決意しました。
かつて祖母から「ミシンは一生ものだから、良いものを買った方がよい」と聞いていたことや、「こんなに縫うのであればストレスなくきれいに縫えることを重視したい!」と思ったこともあり、ミシン屋さんに相談して奮発して良いミシンを買いました。
確かに良いお値段だったのですが、とてもきれいに縫えて、下糸がからまることもほとんどなく、圧倒的にストレスフリー。厚めの生地でもしっかり縫えて、故障知らずで頼もしいです。
とっても満足して、今も毎日使っています。祖母が言っていたとおり、一生、このミシンを使っていければと思っています。
先ほど書いたように、ソーイング初めのころに、maffonのリバーシブルジャガードニットに出会い、ニットソーイングの楽しさに目覚めた私。しばらくは家庭用ミシンで縫っていたものの、
「どうやら、『ロックミシン』というものを買うと、端の処理が一気にできて、ニットソーイングももっと簡単に速くできるようだ・・・」と知りました。
でも、「決して安い買い物ではないから・・・」と何カ月も「どうしようかなぁ、どうしようかなぁ」と悩む時期を経て、
「これだけの時間ソーイングしていて、楽しめるんだったら、ロックミシンを買っても後悔なし!自分や子どもたちの洋服をいっぱいつくって、服代がかからないと思えば大丈夫!」と決意。ロックミシンの購入に至りました。
こちらも、使ってみると、大満足!最初に縫ってみて、既製品のような縫い目が出てきた時の感動は忘れられません。
「普通のミシンで縫ってから、端をジグザグ処理すればロックミシンはいらない」というご意見ももちろんわかるのです(私もソーイングを始めたころはそう思っていました)。
でも、このザーッと縫える楽しさ、速さ、また出来上がりのきれいさ、はぜひ一度、体感していただきたいです。
こちらのロックミシンも、私のソーイングには欠かせない大切なアイテムになっています。
過去のブログでは、ロックミシンの魅力をまとめています。ぜひご覧いただければ嬉しいです。
魅力いっぱいロックミシン ~ゴム通しいらず♬ウエストゴム付け~
魅力いっぱいロックミシン ~丸底ポケットをきれいに作るコツ~
さて、さて、ここからが今回の本題です。
2台のミシンで数年間、縫ってきた私ですが、
ソーイングを始めて8年ほどたったころから、ずっと気になるミシンがありました。
それが、
カバーステッチミシン。
皆さんがよく着られる既製品のTシャツを見ると、見頃や袖のすそに2本のステッチラインが入っているものが多いと思います。
めくって裏側を見ると、こうなっています。
この処理ができるのが、
カバーステッチミシン
なんです。
家庭用ミシン+ロックミシンだけだと、
■ロックミシンで端処理をしてから→アイロンで裾を折り曲げて→家庭用ミシンで本縫い
と3工程だった裾(すそ)の処理が、
■アイロンで裾を折り曲げて→カバーステッチミシンで縫う
の2工程で出来上がるようになるのです。
とはいえ、こちらも安い買い物ではありません。
絶対に必要かと言われると、家庭用ミシン+ロックミシンでも代用できるので、絶対に、とは言えません・・。
でもでも、ソーイングを始めて10年。もう一歩、上のステップに行きたい気持ちもありました。
ちょうど周りから「baby lockさんのカバーステッチミシン、Kanadeはかなりいいみたいだよ」と聞いたのもあり、ソーイング10周年を記念して、もっと気合を入れてソーイングをやっていこう!と自分にカツを入れる気持ちで、購入に至りました!
購入したのは地元のミシン屋さんです。
最近はオンラインでミシンをご購入される方も多いです。(私もロックミシンはネットショップで購入しました。アフターサービスなどもしっかりしていて、特に不満はありませんでした)
ただ、今は信頼できる市内のミシン屋さんで購入するようにしています。最初の使い方や、糸の種類、故障した時のアフターサービスなど、とても心強いです。(お住まいの場所によっては近くにミシン屋さんがない場合もあると思うので、どちらがいいかは一概には言えないと思うのですが、昔ながらのミシン屋さんもとってもおすすめだよ、ということはぜひお伝えしたいです)
そして、届いたカバーステッチミシン。
ドーン。
箱から、なかなかの大きさです。
ちなみに、ミシンを買った時の箱は、捨てないようにするのが良いです。
場所はとりますが、故障時など修理に出すときに必要となります。
早速開けてみます。
机に置くと、ドドーンと、かなりの大きさを感じます。
Kanadeの文字が光ります。
糸はミシン屋さんが4本、サービスで付けてくれていました。
60番の糸でOKとのことでした。おすすめは少し高くなりますが、「ミロマルチ」という糸だそうです。
色々、ロックミシンとは違う構造ですね・・。
私のロックミシンは同じくbaby lockさんの「衣縫人」なので、送り目ダイヤルや差動レバーの文字などフォントが同じで親近感があります。
これは、ロックミシン「衣縫人」にはついていなかった膝上げレバー。私の直線縫い用ミシンにもついていますが、両手がふさがっている時、足で抑え金があげられるので便利なアイテムです。
早速、糸をかけてみようと思います!
まずは一番右、ルーパー糸から。
抑え金をあげて、
はずみ車を回して固定。「ガチャン」という音とともに、固定されます。
糸をのばして、上のアンテナにひっかけます。このあたりも、ロックミシンと同じですね。
ここから、ちょっとロックミシンと違う糸通し方法のようです。
右側の穴に糸を通し、
穴の下の金属の後ろを通り、隙間に糸を入り込ませるように、糸を渡らせます。
金属のフックにひっかけて、
30~40㎝エアボタンの横に糸先を差し込みます。
糸は、30~40㎝くらい、余裕を持たせてたるませ、穴の前にたらしておきます。
穴の下のレバーを下げて、
エアボタンを押すと、
「ダダダダダッ」という音とともに(最初はちょっとびっくりしました(笑))、糸が吸い込まれていきました!
糸がちゃんと通っているかを確かめるには、左側のサイドカバーを
「ガパッ」と開けます。
ちゃんと糸が出てきています。OKです!
さて次は、針糸を通していきます。
右から2本目、右針糸を通してみます。
針をセット。この針をセット、で、ロックミシンだと慣れないうちは下に針が落ちてしまったりして、困ったことが何度かあるのですが、かなり取り付けやすくなっていて、感動しました!
針糸通しの位置は、一番右側の針に通すので、C3にセットしておきます。
ルーパー糸と同じように、アンテナにひっかけて、
プチンとここの糸案内にひっかけ、
下に持っていったら、赤丸の位置の金具にひっかけ、
そのまま右側に糸をもっていって、赤丸の位置を通り、
針の上をぐるりと上に通して(ここは家庭用ミシンに似ていますね)
下に持ってきたら、
左側の糸通し用レバーを「ガチャン」とおろします。
レバーを一番したまで下げたら、手を放しても大丈夫です。
両手で糸を針穴の前で張った状態にし、そのまま奥に平行移動させると、糸通しガイドにそっと糸が差し込まれます。
「プチン」と軽く手ごたえがあります。
レバーを戻します。
針穴に糸が通っています!
とっても簡単な糸通し仕様です。
続いて、一番左側の左針糸も同じように通します。
アンテナにかけて、
赤丸の位置を通し、
ぐるっと上を通し、
レバー位置をC1に。
レバーを下げて
糸通し。
レバーを上げて
針糸、通りました!
最後にこのレバーを上にあげて
カバーを閉じれば、
糸通し、完了です!
さて実際に縫ってみましょう。
縫うときは、しっかり生地にアイロンをかけて、折りまげておいて、(今回は端から2㎝折り曲げました)
カバーステッチミシンにセット。
縫い始めると(最初は結構、ダダダッという音と、布送りの速さにびっくりしました💦)
ちゃんと2本のステッチで縫えています!
縫い終わりは
後ろにひっぱって糸を伸ばし、ミシン脇にある糸カットで糸をカット。
※糸のカットの仕方については、私は上のようにミシン屋さんに習いましたが、なかなか硬くて糸が引っ張りだせないこともあります。また、生地が引っ張られて傷んでしまう恐れもあるかもしれません。
よりスムーズに糸を切るには
針の前の糸を千枚通しなどで引っ張り出してから
生地を引っ張ると、よりスムーズだと思います。お使いのミシンに合わせて試してみてください。
さて、縫えた生地がどうなっているかというと・・・
表側は2本のラインが入っています。
裏返すと・・・・裏は生地端をかがるように縫えています!
既製品のような出来栄えにうっとりです。
実際に作品を縫うときは、最後の仕上げに使うことになります。
ロックミシンで形を組み立てておいて、
すその部分。
きちんと2㎝でしっかりアイロンで折って
縫い始めます。
ちゃんと縫えています♪
すその処理がとってもきれいにできました!
我が家で既製品のような服を仕上げることができ、満足度かなりアップです!
すそだけでなく、お好みで衿回りにも使えそうです。
ロックミシンで縫っただけでは、縫い代が持ち上がってきたりしてしまうこともあるこの部分。
カバーステッチミシンをかけてあげると
ぴったりと見頃に縫い付けられて、安定しました。
2本のステッチも均等に入れられて、見た目もきれいです。
使用する糸については、使用のてびきでは60番スパン糸が薦められていました。
私の地元のミシン屋さんが薦めてくれたのは、こちらのミロマルチ糸。
少しお高いですが、本縫いにも使え、縫った時もきれいだそうです。
しばらくはこちらの糸も試してみようと思います。
また、カバーステッチミシンは「糸飛び」が多いとも聞きました。不具合ある時は
- チェーンルーパー糸調整ダイヤル 2~3
- 針糸調子微調整ダイヤル AUTOの位置を「0」に
- 送り目ダイヤル 3~4
の基本を確認、それでも改善されない時は
- ミシン針を変える(ミシン針は消耗品です!)
- 糸掛けが間違っていないかチェック
するのが良いそうです。また、生地が分厚いと糸飛びしやすいそうで、その時はチェーンルーパー糸調整ダイヤルを「4」にすると改善される場合もあるそうです。
カバーステッチミシンに限らずどんなミシンにも言えることですが、ミシンの「特性」を見極めて、自分の手の力加減や技術と合わせていくことが大切そうですね!
既製服のような仕上がりが楽しめるカバーステッチミシン。
家庭用ミシン、ロックミシンの次の「第3のミシン」として購入した私の感想は
「一番、『機械』感が強い」です!
(「機械感」という造語、作ってすみません💦機械の感じが強い、というニュアンス、わかっていただけるでしょうか💦)
大きさも一番大きく、
ブログでも「ダダダッ」など音の表現が多かったように、工場にある機械のように生地が縫われていきます。
3工程が2工程になり、スピードアップ♪を狙っていましたが、
残念ながらまだ技術不足で、恐る恐る縫っており、ものすごく時短になった、という感覚はないです・・。
最後の糸処理もまごつき、時間がかかってしまっています💦
ただ、出来上がりはカバーステッチミシンの方が圧倒的にきれいです!!
ということは、自分が技術を上げるのみ!練習を重ねます。
糸通しや縫い方については、家庭用ミシンとロックミシンをお持ちの方なら、スッと頭に入るのでは、と思います。
(ただ、抑え金のレバーの位置がロックミシンとは違い、私は今でもよく間違えます💦)
また、カバーステッチミシンは形からするとロックミシンに近いように思うのですが、空縫いをしてはいけない、というのは家庭用ミシンに近い気がします。
ロックミシンは、空環を作るために、生地がない部分でもフットコントローラーを使って縫いますが、家庭用ミシンでは生地がない部分では、縫いませんよね。
それと同じで、カバーステッチミシンも、生地がない部分では縫ってはいけないそうです。
Kanadeで感動したのは、美しい縫い目だけでなく、細かな仕様。
例えばこちらのカバー。
ロックミシン「衣縫人」だと、糸を通した後、レバーを上げるのを忘れたままカバーを閉じてしまい、「ブイーーーン」と鳴ってはいけない音が鳴ることが多々あり、失敗してきたのですが💦
カバーステッチミシン「Kanade」では、レバーを上にあげないと、カバーが閉まらない仕様になっています。
レバーが下がった状態ではカバーが閉まらず、
レバーを上げると、カバーもパチンと閉まります。
また、ルーパー糸の下にある小物入れも、ロックミシンでは、小物入れのふた部分がスライドする仕様でしたが、
カバーステッチミシンでは、下部分(箱部分)がスライドします。
下部分がスライドした方が、糸が動かず、使いやすいです!
さらに、ふたの部分についたマグネット。
ここに使わない針を置いておけます。
ちょっとしたことなのですが、かなり助かります!!
本当に、「ちょっとしたこと」の使いやすさがあふれていて、縫う人のことをよく考えて作られたミシンだなぁとほれぼれしてしまいます。ユーザーとしての満足度はかなり高いので、これからカバーステッチミシンのご購入を検討される方にもKanadeは、ぜひおすすめしたいです。
すでにカバーステッチミシンをお使いの方はお気づきかもしれません。
私は抑え金、透明のプラスチック製を使っています。
ミシン屋さんが、「はじめのうちはこれを使うと縫いやすいよ」と薦めてくださったものです。
もともとの付属は、右の金属のものです。
この透明抑え、ミシン屋さんが薦めてくださった通り、針落ち位置がわかりやすく、作業がとてもスムーズになります。初心者さんにはおすすめのアタッチメントです!
最初は「えっ、プラスチックの抑え金・・?」と思ったのですが、今は欠かせないアイテムです!技術が上達するまでは、こちらのアタッチメントの力を借りていこうと思います。
今回は「カバーステッチミシンって何?」という方むけに、ご紹介しました。
なかなか買うときにもハードルが高く、まだまだ情報も少ない「カバーステッチミシン」。
少しでもミシンについてお伝えできていたら嬉しいです。
次回はカバーステッチミシンならではの縫い方「チェーンステッチ」についてご紹介していこうと思います!
Happy sewing with maffon.