手袋が生まれる不思議な布 「グローブス」ご紹介

こんにちは。

今日は新作生地「グローブス」をご紹介します。

この生地、本当にびっくりさせてくれる、ワクワクが詰まった生地です。いつも通り、洋服用の生地として使えるだけではありません。チョキチョキ切れば手袋が生まれる不思議な布なんです!

長さもたっぷりあるので、暑い時期のガーデニングや日焼け防止に使っていただけたらと思います。

今の時期、手すりやつり革、スーパーのカートなど、たくさんの人が触ったものに触るとき、ちょっと気を付けたい、という方も多いと思います。

そんな時、この薄手の手袋をバッグに入れておけば、さっと取り出せて使えてデイリーユースに、とってもおすすめです。

※こちらの手袋は医療用ではありません。感染防止に効果があるかなど検証はしておりません。どうぞご理解の上、お使いいただけたらと思います。

外出自粛が続く中、「え、こんな風に手袋が作れる生地があるんだ!」と新鮮な驚きを少しでもお伝えし、皆さんの心が明るくなるきっかけになればとてもうれしく思います。

長年、ニット生地を編み続けてきたマフォンだからこそ実現できた、スタッフのアイデアがつまった生地です。

といっても、文章だけでは説明が難しいもの。写真とともにご紹介していきますね!手袋ができるところに、おぉっとちょっとでも驚いてもらえればうれしいです。

生地は約80㎝=1パネルごとの販売。巾は95㎝と1.9Mの二種類でのご案内となります。

巾約1.9mの2パネル(数量2)を広げるとこんな感じです。

反対側です。

巾約0.95M、1パネル(数量1)は、上記のちょうど半分の大きさでのお届けとなります。

反対側です。

たくさんの手のひらのデザインが印象的な、ユニークな生地です。

今回は、巾1.9m(2パネル)の生地を使って、まずは手袋を作ってみたいと思います。

手袋を作るといっても、とっても、とっても簡単。用意するのは、裁ちバサミだけ。

まずは、巾1.9Mの生地の端の手袋の形にご注目ください。

手の線の外側ギリギリをずっと切っていきます。

慎重に、慎重に・・。

線ギリギリでなくても、線から3ミリ程度なら大丈夫だと思います。とにかく、ワクワクする気持ちを大切に、楽しんで切っていってほしいです。

また、ギリギリを切っているうちに、もし線の上まで切ってしまっても、少しくらいなら大丈夫です。

線を越えることだけないよう、お気を付けください。

特に、手の指のところは、指の間ぎりぎりまで切るのが少し難しいかもしれませんが、できるだけ際まで切り込みを入れてください。

切れました!

腕側の直線を切り落として、

切ったところから、表に返します。

指先は内側からぎゅっぎゅと、押し出すようにして、返してください。

返し終わったら、とっても不思議、もう手袋ができています!

もとあった位置に置いてみます。

ちょっとした驚きではないでしょうか♪

もう片方の端からも、同じようにチョキチョキ切れば、

手袋、両手分が完成です!

たっぶり長さは指先から80㎝あります。二の腕まで欲しい方もいれば、肘までの長さで大丈夫、という方もいると思います。

お好みの長さに合わせ、チョキチョキ切って、ご調節ください。

切った部分は、ほつれてくることはないので、切りっぱなしで大丈夫です。が、気になる方は、三つ折りなどにして始末してくださいね。

もちろん、内側が白、外側がグレーと合わせた手袋一組を作ってもいいのですが、

あえて、反対側の配色で身に着けるのも、面白く楽しんでもらえると思います!

ちなみに、生地の端の部分、このような小さな穴が気になる方もいると思います。

製造工程でどうしてもできてしまう穴なのですが、スチームアイロンや洗濯すれば消える穴です。安心して使っていただければと思います。

生地の端の穴については、こちらもご参考にしてください。

ソーイングに戻ります。一組、長い手袋ができた後、残りの腕の部分が短いデザインでも、

チョキチョキ周りを切って

表に返せば、

あっという間に手袋ができました。

チョキチョキ切って、手袋ができる、この感じ、ぜひたくさんの方に楽しんでいただければ嬉しいです。

魔法ような手袋が生まれる生地「グローブス」。

どんな仕掛けになっているのでしょう。

「リバーシブル」のmaffonの生地に慣れて下さっているリピーター様なら、ぴんと来られた方もいらっしゃるでしょうか。

秘密はこの線。

この線の部分で、灰色と白色の二枚の布がくっつけられて(接結して)いるんです!

線がない部分は、2枚の布はくっついていない状態です。

「線」で囲まれた部分は、二枚の布の間に空間ができます。その空間を「手を入れる場所」と見立てて、「手袋」になっているのです!

この生地「グローブス」は、長年、工場でニット生地を編んできた山田工場長と伊藤常務のアイデアと技術がなければ生まれませんでした。

どんな生地でも、編み方を考え、実現させてしまうニット職人の山田工場長。その素朴な人柄、真摯に仕事に向き合う姿に、いつも私たちもはっとさせられます。

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「グローブス」の生地でも、微妙な指の間の隙間、長さなどを試作し、調整してくれました。

伊藤常務は、マフォンの親会社の丸安ニットで、生地作りの相談を受けたり、発注から出荷までを見通す位置に立ち、仕事をしています。豊富な経験とアイデアを持っています。

長年、ニットに携わってきた職人たちだからこそ、生まれた生地「グローブス」です。

ニット生地を編む技術を持つ熟練の職人たちは、国内では次々に姿を消しています。しかし、これらの職人さんたちの技術なくしては、ふわふわな肌触りのマフォンのリバーシブルジャガードニット生地は生まれません。

マフォンの生地は決して安いものではありません。ただ、これらの国内の職人さんたちが持つ高い技術を絶やさないためにも、大切に、しっかりと対価を払っていきたいと思います。決して安くはない生地ですが、本当に大切に編まれた生地たちです。そんな思いまで、生地を使うお客様にも届けば、と願っています。

さて、ソーイングに戻りましょう。手袋を作った後にも、まだ生地が残っています。

巾1Mの場合、両端の長い手袋を作った後は、↓の分量が残るくらいです。残りも手袋にしてしまってもいいですし、何か小物に使ってもらってもと思います。

巾2Mの生地なら、まだまだたっぷり残りがあります。

大きな柄なので、大人用のスカートや、ワイドパンツにしても映えると思います。

手の向きをどちらを上にするか、考えるのも楽しいですね。

今回は、120サイズのこども服に仕立てました。

裏側は、大きな手がインパクト大な配置になりました。

袖の部分、ランダムにデザインが現れるのもまた、面白いです。

まだ生地があったので、レギンスも作れました(サイズ120)。

セットアップ。

どちらもパターンは↓の本からです。(maffonでも本を販売しております)

縫う時は、裁断から間を置かず、できるだけ早く縫い始めるのがポイントです。切ってから、時間がたってしまうと、生地端が丸まりやすくなってしまいます。

丸まった部分は、指で整えながら縫い進めてください。

↓の画像のように、表側に生地端が出てしまわないよう、気を付けてくださいね!

着画はこちら。「パー」の服と呼んでいました。「この服、気持ちいい~」とも。いつも通り、ふわふわの肌触りの生地です。

後ろのデザインの配置が、個人的にお気に入りです。

そして、まったく偶然で意図していなかったのですが、Tシャツとレギンスが、ちょうどデザインが続くように仕上がりました。見るたびに、ひとりでそっとほくそ笑みます(笑)。

外出自粛でもめいっぱい元気な子どもたち。全国の親御さんたち、お疲れ様です!

手袋を見つけてニッコリ。

最後は、ハギレでマスクも作ってみました。しっかりした生地なので、二枚重ねだと少し暑いかもしれません。

型紙は、↓のフリーパターンの80%縮小版です。

この生地、休校中で暇を持て余しているお子さんたちにもぜひ、おすすめです!小学三年生に、「魔法みたいに手袋ができるんだよ!」と切らせてみました。

「ほんとうにできるの~?」と半信半疑な様子。

それでも頑張って、チョキチョキ切り進めます。

指の部分に苦戦していましたが、


何とか切れました。

「あ、わかってきた!」

表に返して

手袋が完成!



「魔法ではないじゃん」とつぶやいていました(笑)

小学校1,2年生だと、まだハサミがうまく使えないかもしれませんが、中、高学年であれば、ひとりできれると思います。学校がなくて寂しい子どもたちが、少しでも笑顔になったら嬉しいです。

まだ先は見えませんが、少しでも早く、日常が戻ることを祈って。

グローブスの生地で、ピースです。

Happy sewing with maffon.